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As I Lay Dyingメンバーが集まりこれまでの経緯を語る。

June 18, 2018

As I Lay Dyingメンバーが集まりこれまでの経緯を語る。

 

先日活動停止前のメンバー全員が復活した事で話題になっていたメタルコアAs I Lay Dying。今回メンバーであり事件を起こしたフロントマンTim Lambesisを真ん中に、ドラムJordan Mancino、ギタリストPhil Sgrosso、Nick Hipa、そしてベーシスト兼ヴォーカルJosh Gilbert全員が集まりテーブルを囲む様に座りメンバー一人一人が復活までの経緯、自身の思いや葛藤を赤裸々に語る映像が公開されました。

 

バンドは2013年にフロントマンTimが殺し屋を雇い自身の奥さん(前妻)を殺そうと計画した殺人教唆の容疑で逮捕され、その後裁判にて自身の有罪を認める事で二年間刑務所に服役。2016年末に出所し自身の過ちを認め公に謝罪しました。

 

当初、As I Lay DyingはTimと結成メンバーであるJordanが権利を保有しており、Timが逮捕され服役中は活動停止となっていました。

 

今回投稿された映像は約30分という長さの為、簡潔にまとめさせてもらいました。

 

冒頭Timが口火を切り半年程前に出所してから初めて公に発表した懺悔の文の水面下ではAs I Lay Dyingのメンバー一人一人とコンタクトを取っていた事を語りました。


TIM: 「どこからスタートしていけば良いのか分からなかったから、先ずは自分が(逮捕前まで)一番自然に話せたJordanとJoshにコンタクトを掛けたんだ。彼等にはEメールで声を掛け、久しぶりに再会した時に僕は聞き手に回り、(自分は口を開く立場)では無いという明確な謝罪の姿勢をとったよ。自分の犯した事は間違った行為であり、周りの人間がどれ程深く傷ついていたのか出所するまで分からなかった。彼等とまた出会った事で彼等がどのような思いで事件後過ごしてきたのかを聞くことによって自分の犯した事の重大さをさらに痛感させられ彼等の思いを真撃に受け止め全てにおいて謝罪してきた。」

 

JOSH: 「2016年の秋頃に初めてTimからメールを受けて、心から謝罪したい、そして出来ればお互い話し合えれば良いと思っている的なメッセージだったかな。Wovenwarのツアーが一段落した頃でね、Timが出所した事を知らなかったし最初は悪戯メールだと思っていた。そこでJordanに、こういったメールが届いている、と告げるとJordanも同様のメールを受けた事を話してくれた。俺はどうすれば良いか迷って数週間後に、自分の中にはまだ大きな迷いがあり今はとても話せる状況じゃない、といった返信を送ったんだ。そこから色々と考えTimと初めて電話で会話したのは翌年2月だった。Timが言った通り、俺が一方的に事件の影響がどれ程自分達を含め周りの人々に影響を与えたかを彼に語ったよ、彼はただただ謝罪しており、彼と話していると事件前の彼とは変わった彼を感じる事が出来た。」

 

JORDAN: 「Wovenwarとして心機一転し頑張っていた矢先に受けたTimのメールによって、今度はどんな厄介ごとがくるんだという恐怖の方が強かったよ。返信も中々しなかったけど大分月日が経って話すことにしたんだ、Timと話した事で自分の中で何か変化があったのだろうね、それでも彼に対し信用して良いのか疑っていた。彼の犯した事件によって本当に多くの人々が影響を受けた事は事実なんだ。それにTimを迎え入れそれからどうしたら良いのかも分からなかった。謝罪を受け入れた事よりも自分を見つめなおす、自身を試してみる考えもあったんだ。」

 

Timは音楽は情熱とビジネスの両方の顔があり、Timは自分には音楽しかないと思いメンバー達にまた一緒に音楽をやっていけないかと打診していた。しかし、他のメンバー達はTimがビジネス(金儲け)目的で話しているのでは無いかと疑っており大きな溝があった事を語る。

 

PHIL: 「(事件のあった2013年は)Timの件があったから俺達の関係が破城したので無く、その何年も前から俺達の関係に溝が入っていたんだよ。確かにあの事件は最悪な出来事だったけど、俺の中ではどこか自由の身になれた、もう険悪なムードに居なくても良くなったし色んな事にストレスを感じなくても良くなったという安心感があったんだ。それから俺達メンバーは心機一転新しいバンドで環境を変えてやることにした。Timが裁判前に留置所に居いた時も俺達の仲は非常に平和であり、もうTimについて考えなくても良かったし憤りを感じる事も無くやっていたんだ。でも、Timが実刑判決を受け服役する事になった後も、俺達の元にはTimについてインタビューしてくるメディアが多く、その度に俺達はTimが居なくなっても常にTimは俺達に付きまとって影響を与えてくるのか、と大きなストレスになっていた。そういう環境が徐々に俺達の仲をも蝕んでいきNickと俺との関係も悪くなっていったのさ。

 

そしてとうとうTimが出所したというニュースが入り、俺達は一気に追い詰められたんだ。メディアを含め周りが、これからどうなるのか?Timは何をするつもりなのか?という質問を俺達に投げかけ、どんどん追い詰められていったんだよ。俺はそれまで、Timと一緒にプレイする事は無い、と発言していた。ストレスの無い環境で音楽をプレイ出来ていたのだから自分をまた追い詰める様な事をするつもりは無かった。だからTimが刑務所に行く前と出所した後にもメールを受けていたが、俺は何も話すことは無い、放っておいてくれと返していた。でも、出所後に来たメールには、君(Phil)が素晴らしい環境で音楽活動をしている事にとても嬉しく思っている、今の状況を壊す気は無いからね、というメッセージを貰い、それから既にTimと和解しかけていたJoshとJordanからの話も聞き、Timが公表した謝罪文を読んで、自分が抱いていたTimとは別の人間が居る事を感じ始めたのさ。そこから、じゃあコーヒーでも飲んで話をするぐらいならという気になった。別に彼を許した訳では無かったし、今後について話すとか全く抜きで会う事にした。俺はこれまで自分が抱えてきた大きな不満等Timに言いたかった事もあったしね。でも出所後初めて顔を合わせたTimの印象は全く違っていて、俺と真剣に向き合って話していた。そういう所が逮捕前とは別人だった。Timと会った事で自分の中にも変化があってTimとの関係を修復出来れば、それまで冷え切っていたNickとの関係も修復出来るのではないか思う様になり(この時点でPhilはWovenwarを脱退していた)、自分が抱えていたストレスも安らぐ事になるんじゃないかとも思っていた。俺達はもう良い年した大人なんだし腐るよりも、ポジティブに考える事も必要では無いのかと思ったのさ。」

 

NICK: 「俺とTimとの関係は他のメンバー達の経緯よりも辛い修復だったと思う。あの事件後、俺達は単なる被害者でなく事件の当事者的な感じで見られていたんだ。俺達は突然自分達に降りかかった問題を対処する方法が見つからず行き成りスポットライトを浴びせられた様な感じで、あの時は自分達を強くしなければと必死だった。Timが逮捕されて裁判が始まる前に俺達の元にTimが涙ながらに謝罪するメッセージがあって、一度はTimは本当に自分の犯した事を悔いているのだなと信じていた。でもそのメッセージを聞いた直ぐ後にAlternative Press誌が行ったTimとのインタビューでは、Timは事件について責任逃れをする様に、こういう問題があったから事件になってしまったという感じで喋っていて、動画を見た俺は裏切られた気持ちで一杯でもう二度とTimを許す気になれなかった。そういった自分の発言が世の中に浸透し俺達メンバーはTimを許さないという感じで見られていたんだ。俺達は生活の為に必死だったし、Wovenwarを結成した事は俺達の誇りでもあった。しかし、バンドで精力的に活動していても、必ず誰かにTimの事件をどう思うと質問をされて、Wovenwarというポジティブな環境に居ながらもいつまでもTimの呪縛から逃れられない絶望さが自分の中にはあったんだ。

 

アルバムHonor Is Dead(2016)をレコーディングしていた時、ポジティブな環境で頑張っていた矢先にPhilに心境の変化が現れ、一丸となって新しい作品に取り組むぞという時にPhilが段々と俺達から距離を置いて行ったんだ。バンドからも、そしてライブ会場からも居なくなり、それまで一緒にサポートしてきた仲間やスタッフに冷たい態度をとる様になっていた。そしてPhiが正式にバンドを脱退した時にはPhilに対して俺の中には悪感情があり、TimのせいでPhilも行ってしまったと思った俺はTimに対しても大きな憤りを感じる事になった。それからの俺はがむしゃらに忙しくし自分の気持ちを整理するだけで必死だった。いつだったかインタビューを受けた際、Wovenwarのアルバムの構成や歌詞の意味を大いに語り気分が良かった時に、最後の質問で服役中のTimが刑務所相手に裁判を起こした事について聞かれたんだ。俺は、そういう事をするなら彼は未だに自分の犯した事について理解出来ていないし懺悔もしていないのではないか、といった突き放す発言をした。その後、その記事には俺がTimに対して発言した内容だけが取り上げられており俺はかなりへこんだね。メディアが何かセンセーショナルな部分だけを切り抜いて報道するやり方にどうにも出来ない憤りを感じたし、それからメディアのインタビューを受ける気は無かったね。

 

Wovenwarの活動中、俺の誕生日にTimから連絡が入り出所した事、そして自分は変わったし俺達に対して謝罪したい、というメッセージが来た。俺は直ぐに返信し、これまでのお前の話を聞いて来たけどお前の事をとても信じられない、と謝罪を受ける事を拒否した。ちょうど同じ時に、俺の友人から連絡が入り彼女には事件後相談に乗って貰っていたから俺はTimが出所した事を伝え、俺達メンバーは単に今まで通りの生活を守りたい事、揉め事に巻き込まれないか常に心配しなければいけない生き方は御免だと言ったよ、そしたら今度はその彼女がまた別の知人に俺が話した事を言って、第三者から俺の言動が一気に知れ渡ってしまったんだ (DokkenのGeorge LynchがNickの婚約者だった自身の娘から聞いた話をインタビューで言ってしまった件、後にGeogeはこの件で喋り過ぎたと謝罪)。俺はどうしていいか分からなかった。もう誰にも相談する事が出来なかったんだ。

 

それから半年程Timからは何度か連絡があり、自分が変わった事を証明したいと言うメッセージだったよね。その度俺は会う事を拒否していた。俺はTimを受け入れてしまう事で自分の現状が変わる事が怖かった。もう一人でライブに足を運ぶ事も出来なくなっていた。ライブに行っても知り合いのポッドキャストに呼ばれてTimが出所した事やAs I Lay Dyingの今後について聞かれる事が本当につらかった (恐らくHatebreedのJasta Showに出演した時)、この場から逃げ出したい、もう何も言いたくないんだ、と思いながら一生懸命になって言葉を選びながら質問に答えた。何でもない答えなのにそれでもメディア上に流れていた。

 

その後Philから、会って話せないか、と連絡が来た。その時Philとはもう1年半もコンタクトを取って無かった。でもPhilと会って長年の親友の彼の口から謝罪の言葉を聞き、俺の中で何かが浄化されていく感じがしたんだよ。この謝罪で本当に救われたし、Philの謝罪を受け入れ許す事で俺自身も考えさせられたんだ。それまでの俺は自分自身を精神的に痛めつける様な感じで過ごしていた。

 

それから、拒み続ける俺に対して定期的に連絡メールを送ってくれ、公開謝罪文を発表後公に事を荒立てていないTimについて俺はまた一度考えてみたんだ。仮にだよ、もし自分のこれまでの人生に影響を与えてきた悪魔の様な奴が本当に会心したとしたらどうなる?もし彼の真意が分かれば今押しつぶされそうになっている自分も少しは楽になるのかもしれないと思ったんだ。それまで、拒否する権利がある事は理解している、でもどうしても会って欲しい、と何度もメールを送るTimに俺は会う事を承諾した。出所後初めて会ったTimの第一印象は決してポジティブなもので無かった。俺はTimに対し謝罪の言葉はこれまでも聞いてきた、でもそれが本心なのか?すまないと思っているなら何故こんな事をした?と問いただしたね。彼の態度は非常に後悔の念で一杯だった、自分の犯した過ちは全て自分の責任だと、俺はTimに対して質問する間彼の事をずっと観察していた。きっと演技なのだろうと、いつになったらぼろが出るのかと、でも本当に何も出てこなかった。兎に角、Timからは自分の周りにいた素晴らしい人達を傷つけてしまい、そして大切な人達も手の届かない所に行ってしまった後悔の気持ちで一杯だった。でもそれが彼に課せられた罰なんだと、彼が犯した事は知れ渡っており、これからも忘れられる事はないだろう、そして忘れてはいけない事件だ。彼は一生罪の意識を背負って生きて行かなければならないんだと。罪人となった彼を見た時に俺は彼を見逃してやる事にした。俺は自分でもコントロール出来ていなかったからね、痛みや絶望を引き入れ憎悪として生きてきた。俺はそういった負の感情を力にしてこの数年間やってきて、その結果自分の心が惨めな気持ちで一杯だった。」

 

Timは逮捕後に会った弁護士によって自身を弁護する事を叩きこまれ影響を受けていた。その影響下でAlternative Press誌のインタビューを受けた事で内容は犯した罪を否定する様な感じになってしまった。しかし、裁判中に自分が読み上げた涙ながらの文章こそが本心の謝罪文であり、裁判が終結してから公開されたAlternative Press誌とのインタビュー動画では全く内容が異なりNickが誤解を受け憤慨したのは十分理解できると語る。裁判が終わると自分を弁護する必要も無かった事から、出所後は罪を背負いながらもポジティブな環境に居たいと思い、一緒に音楽をやれなくても良い、Timは頼れる仲間だったメンバー達とポジティブな関係を築ける事を切望しコンタクトを掛けた事を語る。

 

Joshによるとメンバー全員集まりお互いバリアが取れた状態になり、先ずは曲を作ってみようとなった。そしてビジネスでなくプロモーションも無しに音楽を配信してみようとなった事を説明。

 

最後にTimは、今回の動画では全てを急いで説明する事は出来ないが、自分はこれから良い方向に変えて行くことに自信を感じている。そして二年後には自身が変われた事を認めてくれる人達が出てくるかもしれない、そして20年経っても自分の事を許さずチャンスをくれない人々もいるかもしれない、でもそれも受け入れると発言。今バンドはこれまでの自分達を変える為にポジティブに活動する事が第一目標であり、Joshの言う様にPR活動等する事が目的でなく、兎に角今自分達が出来るベストの事をやる事が大切なんだと説明。

 

週末バンドの地元カリフォルニア州San Diegoにて行われた復活ライブでは300人キャパの会場(バンド側の意向で大きな会場を辞めた)のライブチケットは$10ドル(約1000円)で4分(ツイートでは二時間と誤報でした、大変失礼しました。)で完売した事が発表。

 

こちらからバンドのディスカッション動画: https://youtu.be/hsX3EZVyGkM

 

しかし、今回の動画はファンや業界が疑問に思っている事全てを説明した訳でなく、特にWovenwarの現在のステータスについて、Timが服役中に起こした刑務所を相手とり数億円の訴訟についてどう思っているのか、そして何よりTimの事件の実質的な被害者であるTimの前妻や家族とは復活する際に連絡を取ったのか、同じメンバーでバンドを継続する事を被害者側に伝えたのかについては話されておらず少し疑問の残る発表でした。

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