AtreyuのAlexが「俺達がメタルコアを作った」の発言にシーンを含め大炎上。
October 16, 2018
Orange County産メタルコアAtreyuのフロントマンAlex VarkatzasがRock Sound誌のインタビューに応え彼の発言に対しシーンのバンドやファンから大炎上。
Rock Sound誌のインタビューでは最新作In Our Wakeについての質問から始まり、Alexは前作Long Liveに伴うツアーを終了した時点でバンドはこれまで一緒にやって来たマネジメントとの関係を切り、心機一転アルバムLead Saild, Paper Anchorを制作したプロデューサーJohn Feldmannと一緒に新譜を制作した事を説明。またJohnも新しいアイディアを持ち寄り、スタジオで全員で新曲を書いた事、Long Liveでは4年間の休止期間を取り戻すべく曲がバンバン出来上がっていくのに対し今回の新譜の曲は作曲時に時間を掛けた色鮮やかなアルバムになった事、また自身のヴォーカルパフォーマンスも前作ではスクリーム一点に絞った形を取ったもの少しヴォーカルの幅を広くし自分自身に挑戦した事を説明。
そしてAtreyuは2018年ではどういったバンドなのか、現在のシーンで代表格となったと言えるのか?という質問に対しAlexは
「俺達がどのシーンに属しているのか分からないね。現在のシーン事態俺達がどこに部類されるのか分からないんじゃないかな。それがAtreyuというバンドなんだと思うよ。生意気に聞こえるかもしれないけど、俺はバンドのシンガー(代弁者)だ。俺達がどのジャンルに属しているのかは分からないが、俺達が結成した当時は部類する事は容易だった。俺達はメタリックなハードコアバンドでクリーンヴォーカルを入れたバンドだ。俺達が結成した当時はそんなバンドは他に居なかったし、オーディエンスも俺達がどのジャンルなのか分からず、”お前達はメタルコアだ” と指した、でも俺達がメタルコアを作ったと思っている。生意気な言い方かもしれないけど、俺は構わない。俺達はPoison The WellやKillswitch Engageやその他のバンドよりも早かったし、俺はこのジャンルにおいて12才の時から活動しているんだよ。でもこんなに長い事やってきてもどのジャンルに属しているかは分からないね、俺達のファンが知っている事だろう。ここがお前達Atreyuの居場所だ、みたいなね。この場所こそが俺達のエンジンであり心臓部分だ。俺達のファンも、俺達の音楽を好きでいてくれる人たち皆が共有できるシーンさ。彼等が音楽を好きでいてくれるから俺達はプレイしているんだ。」
Alexのインタビュー記事は: https://www.rocksound.tv/features/read/atreyu-frontman-alex-varkatzas-we-invented-metalcore.-that-may-sound-cocky
このAlexの発言にシーンで長年活動するアーティスト達がSNS上で議論する事に。先ずは現在Bad Wolvesのギターを担当しGod Forbidでも活躍していたDoc Coyleが:
「俺がメタルコアを作ったのさ(笑)」
「真面目な話、メタルコアという定義はテクニカル、メタリック、スラッシュ系リフ、ブレイクダウン、ハードコアエナジー、そしてスクリームとメロディックヴォーカルのブレンドだと思っている。俺はこの二組こそがメタルコアの先駆けだと思うんだが: Overcast、Cave In」
「敬愛しているバンドではStarkweather、Converge、Vision Of Disorder、Earth Crisis、そしてRorschach」
そして次にSNSに持論を展開したのがAll That RemainsのヴォーカルPhil Labonte:
「(Alexの記事に対し)やっちゃったよ」
「俺もDoc CoyleのOvercastという意見には賛成だ。だが彼等はメロディックなヴォーカルは無かった。こういったものは欧州や北欧メタルからの影響が強いよねAt The Gates、In Flames、そしてSoilworkとかね」
この意見にDoc Coyleが返答し:「Shadows FallのBrians FairもOvercastにてメロディックなヴォーカルをスクリームと一緒にやっていたよね。」
Phil Labonteも:「初期のOvercastではやっていたかな。でも欧州のメタルからくるメロディックな要素とはかけ離れたサウンドでもっとハードコアなイメージだったよ。Overcast以降もっとメロディックになったと思ね。」
Doc Coyleは「欧州メタルからの影響は十分にあると思うね。彼等のヴォーカルはとてもラウドだった。でもメタルコアとは少し違ったサウンドだったね。Cave Inなんかはメタルコアの先駆けだけど欧州や北欧サウンドの要素は一切無いからね。そしてAll Out WarやDillinger Escape Planも同じだよ。」
Phil Labonteは「それらのバンド達は俺からしてみればヘビーなハードコアサウンドでメタル要素は抑え気味だった。俺からすれば彼等こそが先駆けだよ。この議論も決着かな、誰が最初か?Alexは頭いいね(笑)」
そしてこの二人のSNS上の討論にOvercastそしてShadows FallのヴォーカルBrian Fairがコメント:
「Overcastは確かにメタルとハードコアというジャンルを混合したサウンドを試したバンドだった、でもZero Tolerance、Starkweather、そしてLeeway等のバンドのサウンドからの影響が大きいよ。そしてCave Inこそ俺達の誰よりも先をいったサウンドをやっていた事は確かだね。」
「Overcastは1990頃に結成し当時はCro-Magsのクローンの様なサウンドにMetallicaのJames Hetfieldの様なヴォーカルスタイルだった。曲Feel The Painのデモを聴いてくれれば分かるかな。そして曲7インチのBleed Into Oneでもサウンドがより明確になっていったのが分かると思うよ。」
こちらOvercastの曲Bleed Into One: https://youtu.be/1JysxRixveo
こういった発言では必ずといって良いほど議論が起きますね。自分が創始者、俺達が先駆けといった発言をすると矢の様に、「いやお前じゃない、こいつらの方が早い」といった反論が出てくるのが現状です。
業界内、世間一般に定義されているメタルコアではやはりPhilやDoc等が出したバンド達がAtreyuよりも早くに活動していたバンドという事になります。ただ、管理人的にAlexの言ったメタルコアというジャンルがPhilやDocの言うメタルコアとは若干質が違っている気がします。メタルコアとはたった一つのジャンルなり、と言われてしまえばそれまでですが、管理人的にはこのジャンルにはその時代によったメタルコアがあると思っています。Cave InやOvercast等が試していたサウンド、そして、それとは別のAtreyuのAlexが言うメタルコアがあるのかなと解釈しています。Atreyuのオーディエンスはまた前の2バンドとは違った年齢層であり、このAtreyuを支持していた層が定義するメタルコアもまた違ったものじゃないかなと思っています。だとするとPoison The Wellは?Eighteen Visionsは?From Autumn To Ashesは?と反論があると思います。Alexのメタルコアとはこんにちまで続いているメタルコア、Wage War、Polaris、The Devil Wears Pradaに受け継がれているサウンドにおいてという事なのかなと。ただこう言ったバンド達が果たしてAtreyuのサウンドに影響されたというかは分かりません。もしかしたらUnderoathからの影響と言うかもしれないし、As I Lay Dyingと言うかもしれないですね。興味深い議論だと思います。ご意見等があったらRT等で教えてください。