Ill Ninoを脱退したと報じられたメンバー達が反論。事態は泥沼化。
1月18日
先日、ラテンメタルIll Ninoが発表したヴォーカルCristian Machado、ギタリストAhrue LusterとDiego Verduzcoの同時脱退について、当3人がバンドの発表について反論。
結成メンバーでありリーダーであるドラムDave Chavarriはメンバーチェンジについて「バンド活動とは結婚と同じ様なもので、時にメンバー間の意思に距離が出来、お互い目と目を合わせられなくなり、別れという結果に至る事もある。俺達は脱退したメンバー達の今後の音楽活動を応援する。そして、時間を掛けた人選によって加入した新メンバー達は皆業界で定評のある熟練ミュージシャン達だ。どうか皆には俺達のプライバシーについて考慮して欲しい、バンドは今前を向いて活動している。」と簡潔なものであり、脱退メンバー達のコメントも無い発表に違和感のあるファンがコメントを寄せていました。
そして発表から一夜明け、脱退したと報じられたCristian、Ahrue、そしてDiego三人の声明としCristianが以下に投稿。
「俺達の家族、友人、そしてファン達へ、報道されている件について、Ahrue、Diego、そして俺はIll Ninoを脱退していない。俺達は今でもバンドのメンバーであり、バンドとファンの為に活動していくつもりだ。俺達は新しい音楽、マネージメント、そして機会を届ける事にワクワクしている。是非新しい情報を待っていて欲しい。」とこちらも多くを語らない発言でしたが、3人はIll Ninoを辞めていないと先日のDaveの発表に真っ向から反対する形となりました。
Cristian達の投稿によって報道機関がIll Ninoの事を洗い直した結果以下の情報が明らかに。
1. 昨年11月6日にCristian、Ahrue、Diegoの三人は事務所Ill Nino LLCを設立し、Ill Ninoの商標登録を出願。
2. 一週間後、Ill Ninoの初期メンバーでありバンドに在籍するベーシストLazaro Pinaが法的機関に対し「個人事務所設立を知らされていなかったと」という理由で三人が提出した商標登録を迅速に放棄させて欲しいと要請書を提出。
3. Lazaroの要請について、三人はIll Ninoの所有権をDave個人のものにするという企みがあるから「迅速な放棄」を届け出た事は悪質であると発表。
4. 記録によると、三人が個人事務所を設立した数日後にDaveは別に個人事業の開業届出書を提出しIll NinoはDave個人のものである事を主張したとされています。
5. 三人は特許庁に対し、Lazaroの要請を取り下げて欲しいという請願書を提出し、自分達が最初に提出した個人事務所および商標登録を再検討して欲しいと要請。
報道機関が公開している情報は以上です。今の所Ill Nino(Dave側)からの新しい発表はありません。
また、先日のDaveからの発表では新メンバーにShattered SunのヴォーカルMarcos Leal、Sons Of TexasのギタリストJes DeHoyos、そしてUpon A Burning Bodyの元ギタリストSal Dominguezが後任として加入した事が明らかに。
Dave側のIll Ninoは復帰したパーカッショニストDannyを入れた以下の通り:
Marcos Leal - Lead Vocals
Laz Pina - Bass
Dave Chavarri - Drums
Daniel Couto - Percussion
Sal Dominguez - Rhythm Guitar
Jes DeHoyos - Lead Guitar
また、この陣営のIll Ninoは新曲Sangreを発表: https://youtu.be/gNEKMfp3g4g
今になって思えばこの新曲が発表された時から既におかしな点はあり、新曲はDaveがプレイするもう一つの覆面モンスターメタルバンドTerror UniversalのYoutubeアカウントから投稿されています。
現在、Ill Ninoという名前の商標がDave側にあるのか、それともCristian、Ahrue、Diego達の側にあるのかは分かりませんが、このまま行くと二つのIll Nino(どちらかが名前を少し変えて)が活動することにもなりかねない状況です。
Ill Ninoは1998年にDave、Cristianそして現在はSoulflyやCavalera Conspiracyでギターを務めるMarc等によって結成。当時はニューメタル全盛期であり、ラテン音楽とニューメタルを組み合わせた彼等のサウンドは直ぐに当時SlipknotやSpineshank、またFear FactoryやSepulturaの活躍で大きなレーベルとなったRoadrunnerと契約。彼等のデビュー作はラテン要素を絡めた聴き易いニューメタルという事でSoulflyやSepulturaと比較されながらも成功をおさめ、次作Confessionはビルボードチャートに入りし、映画Freddy Vs. Jasonのサントラとしても起用されるなどバンドはまたまた成功。しかし、ニューメタルブームが終焉を迎えメタルコアブームに移った2005年のアルバムOne Nation Undergroundは売り上げを大きく落とし、Roadrunnerレコードからも脱退。バンドは新しいレーベルを捜し、当時新しく設立されたCement Shoesレコードと契約。しかし、新レーベルとの関係は上手く行かずアルバムEnigmaの発表に3年費やし、バンドは以前の様な売り上げを記録する事も出来ず一作のみでレーベルを脱退、その後レーベルも消滅。バンドは新たにVictoryレコードと契約し三作アルバムを発表するも以前のような人気を取り戻す事は出来ませんでした。数千人キャパの中堅ライブハウスから小規模なライブハウスへ、そしてローカライズなバーでのライブになっていたバンドでしたが、メンバー間の結束は固く、Cristian、Dave、Lazaro、Ahrue、Diegoはここまで一緒に活動していました。それだけに、今回の騒動は残念でなりません。
最近ではデビュー作Revolution Revolucionの全曲ライブツアーを二年間に渡っておこなっていました。こちらKNOTFESTメキシコでの最近のライブ映像です: https://youtu.be/QonpY1f7-wQ