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PeripheryのギタリストMishaがバンドは絶頂期を過ぎてしまった事を発言。

April 19, 2019

最新作Hail Stanを発表したプログメタルPeripheryのギタリストMisha Mansoorがインタビューに応えバンドの現状について発言。

 

Peripheryは2010年のデビュー作から2016年のIII:Select Difficultyまで在籍していたSumerianレコードを去年脱退し、自身のレーベル3DOTレコーディングを立ち上げる。最新作は3DOTからの最初のレコードであり現在バンドは同作のプロモーションを伴うツアーをDance Gavin Danceと慣行中。

 

The HauntedやFeared等で活躍するギタリストOla Englundとのインタビューを受けたMishaは現在の音楽業界そしてバンドの立ち位置について発言。

 

「今更だけど、音楽業界はとっくにビジネスが変わってしまってお金が無い状態なんだ。俺達がバンドを始めた頃も既に業界にお金は無かったんだけどね。でも当時はまだ少ないながらもCDを購入する人がいた、でも現在ではストリーミングサービスが主流になってしまったよね。

 

俺の考え方と違った捉え方をする人達は俺の事をシニカルな馬鹿野郎って言うだろうね、でも彼等は ”CDが売れない時代だと言うのは分かっている。でも違う何かが絶対にあるはずだ” と言っているんだね、でも俺は ”確かにまた業界は変わって行くだろうけどアーティストにとっては最悪な環境になるだけだ” と思っているわけさ。彼等はポジティブ思考で良い方向に向かう何かが来ると思っているけど、俺にしてみれば ”そんな事が今まであったか?” と言いたいね。

 

だから俺は ”これから業界は変わるけど、俺達にとっては苦しい道のりになると思う” と前置きし ”俺達ではこれからもバンドとしてお金を儲ける事は無理だと思う、それが嫌ならば君にはこの活動は向いて無いよと俺は理解するよ” とハッキリとバンドメンバー達に話したよ。そしてこのバンドで今後も活動したいと言っているメンバー達は全員この現状を理解しているんだ。皆で ”でもこの活動が楽しいしこれからもやっていこうじゃないか、ライブをやって、自分達で作ったバカみたいな音楽を皆の前で演奏して、最高じゃないか。” と話したね。

 

業界の人間は皆、”楽しく活動する分には問題ないが、現実的でないだろ、30歳を過ぎれば自分の人生をもう少し深く考えバックアップの計画も立てなければ駄目だよ” と言うよね。ドラムのMatt Halpernはドラムの講師をやって生活を立てている。そしてこの業界で俺達は楽器に関しても知識があると見られているのか楽器会社からは色々とサポートして貰っているんだ。現在では普通の言葉になったけど、俺達が昔のインフルエンサーみたいな立場だったみたいだよ。そこから、じゃあこのビジネス関係を使ってお金には出来ないか、と考えシグネチャーモデルの楽器やコラボなんかのアイディアが生まれてくるんだ。俺はひょんなことからプロデューサーもやった事もあるんだよ。Animals As LeadersのTosinの手伝いで彼等のデビュー作を作ったかな、そんな感じで普通の仕事をしない為に来るものは何でもやってきた。多くのミュージシャン達はそんな感じでサイドビジネスをやりながら生計を立てているんだよ。でもやり過ぎてしまうと、自分の本当にやりたかった活動が仕事みたいになってきて楽しめなくなる事もある。そして音楽という職業が素晴らしい職という風潮も疑問な所だよ、だって仕事にしている時点でそれは違うだろってなるよね。ファンや皆から憧れの存在というプレッシャーを背負いファンの為に曲を作る、アルバムの制作期日を守って制作する等は仕事にしてしまっている感じだよね。そこら辺の線引きは結構難しい所でミュージシャンにもバランスをとって活動する事が大事だと思うんだ。

 

俺が思うにPeripheryは既に絶頂期を終えてしまったと思っているんだよ。メタル音楽という所が大きいかな、分かるだろ、もう少し先の活動は出来るとみているけどね、どうだろう。今回の新譜Hail Stanの反響をみてみようと思っている。ぶっちゃけ俺は余り期待していないんだ。

 

俺達は自分自身でバンドの成長を見て来た。俺は間違っているかもしれないけど、俺は現在のバンドの立ち位置で満足しているんだよ。活動は楽しいよ、楽しくライブ出来る事は最高なことだ。もう少しアーティストとして俺達が今後も成長出来たら活動はもっと楽しくなるだろうね。逆に成長出来なかった場合は、まあ現在の俺がそうなんだけどPeripheryというバンドを自分のメインの稼ぎと思わない生活を送る事だね。

 

前にも別のインタビューで発言したけど、このバンドが情熱を燃やせるプロジェクトでも俺は構わないし満足だと思っている。貴方(Ola Englund)も音楽に携わるギタリストとしての活動、そしてこのYoutuberとしての活動がメインの稼ぎだと思っているけどどうかな、そう思わないかい。音楽業界というのは扉を開けるのは簡単で、自分も音楽を作りたい、という好奇心から始まるよね。バンド活動が始まった頃、俺達はこんなカッコイイ音楽の作り方があったんだ、俺が曲を作った信じられない、といった新鮮な雰囲気でやっていた。あの頃は、世間のやつらに俺の腕前を見せてやる、アルバムの締め切りがきついなあ、とか考えた事無かったよね。そういった初心の気持ちがアーティストにとって大切だと思うんだよ。そして俺はその活動を友人らと楽しく出来ている、素晴らしい事だと思うよ。」とMishaはバンドが既に行くところまで行ってしまい今後はどうなるか分からないが、メンバー達は経済的な部分でバンドに頼らない生き方を身に着けており、バンド活動を楽しく行っている事を発言。

 

因みに、Peripheryが先日発表した最新作IV: Hail Stanは米ビルボードチャートで初登場64位という結果に。前作Select Difficultyが初登場22位、そしてそのまた前作JuggernautのOmegaが25位、そしてAlphaが22位、そしてバンドの二作目This Time It's Personalでも44位を記録していただけに、Mishaの発言は皮肉にも当たっている結果に。まだHail Stanの販売数が今後も伸びる可能性もあるかもしれないので分かりませんが、確かにこれまでの作品よりも順位が後退した事になります。また世界的なセールスを見てもどの国でも販売数を前作よりも落としており、特に日本のオリコンチャートではHail Stanは圏外という結果に。これまでデビュー作ですら日本で200位であったのが日本のファンが減ってしまったのか販売数を大幅に落としています。面白いのは、イギリスは唯一初登場の順位が上がった国でありイギリスのチャートでは23位に着けています。

 

さらに興味深いのは、昨年バンドがSumerianレコードを脱退した後、Sumerianの社長Ash Avildsen氏がインタビューにてPeripheryのレーベルからの離脱について発言しており、その際Avildsen氏は、Peripheryのメンバーはとても良い奴らで、音楽家としてもリスペクトしているし、今後の活躍を本気で期待していると前置きした上で、「Mishaよ、俺は君達が次に自主で発表すると言っているアルバム(Hail Stan)はこれまでSumerianから発表してきたどのアルバムよりも売り上げが落ちると確信しているよ。何故なら俺は自分のビジネスそしてSumerianという会社にプライドを持ってやってきているからね。君達の様なバンドにとってどれ程Sumerianのマーケティング、そしてプロモーションがサポート出来ていたか分かると思う。」とAvildsen氏はHail Stanが発表される約1年も前から新作の販売数が落ち込む事を予想していた事です。Sumerianレコードの流通やプロモーション活動がPeripheryのアルバムセールスに非常に大きなウェイトを占めていたのが浮き彫りになってしまった結果に。もしかしたら、日本でも3DOTレコードという新レーベルだった事で流通が無かったでしょうか。

 

Avildsen氏はPeripheryの離脱について、大きな理由の一つとしてバンドは非常にアート思考であり、売れる為という理由でセットリストをシングル曲だけにしない。Advilsen氏はこれまで何度もバンドにデビュー作からの曲でありファンにも馴染みのあり、受け入れ易い曲Jet Packs Was Yesをもっとライブで披露するべきとメンバーにリクエストしていたがバンドは乗り気でなかった事、デビュー作に曲Icarus Livesを入れる事についてもメンバー達の反対があり何とか説得して入れた事、そしてアルバムJuggernautもバンド側が曲を作り過ぎてしまった事でAvildsen氏が二枚に分けて発表しようとアイディアを出した時もメンバー達からの悪態をつかれる事を本気で悩みバンドのマネージャーと必死になって説得の準備をした事、など経営者にとって、またバンドを本気で売り込もうとしている人にとってPeripheryは難敵であったと発言。

 

こちらMishaのインタビュー記事: 

https://www.ultimate-guitar.com/news/general_music_news/misha_mansoor_discusses_financial_realities_of_todays_music_industry_shares_advice_for_musicians.html

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