Toolのメンバー達が何故バンドは新譜の制作に13年費やしたのかを説明。
September 4, 2019
先週13年振りの新譜Fear Inoculumを発表し話題となったToolのフロントマンMaynard James KeenanとベーシストJustin Chancellorがインタビューに応え制作に長期間を費やした理由について発言。
バンドは2006年にアルバム10000 Daysを発表後、同作のプロモーションに伴うツアー活動を約2年に渡って行い、その後活動を休止し休憩した後に新作の制作に入る予定とされていました。バンドは2009年にツアー活動を再開させその後もOzzfest Japan等を含むフェスティバルに出演したりとライブ活動を行ってきましたが新作アルバムの制作については中々情報が出てこない現状が続いていました。MaynardはPusciferの活動、そして昨年はA Perfect Circleの活動を再開させ精力的な音楽活動を行っていた事もあり長らく新譜の制作に乗り出せない状況を続いていたのではと言われていました。
今回英ラジオ局BBC Radio 1でのRock Show With Daniel P Carterに出演したMaynardとJustinが新譜Fear Inoculumに13年掛かった理由についてインタビューで応えました。
Maynardは:
「最大の要因は、自分達がその時代にあった楽曲を提供出来るのかという不安があったからだったと思う。俺達はこれまで発表してきた楽曲で成功を手にしてきて、この新作は受けいられないんじゃないかという恐れがあったんだね。前作の様に絶賛されず自分達はもう通用しないんじゃないかという負の思いが強かった。俺の心理状態を心理学の初級クラスで表現するなら、「もう自分達が発表する楽曲は世間には通用しなくなるんじゃないかという恐怖があった、だから13年も掛かって新作を作る事になったんだ。8年前の自分ならこの楽曲のクオリティで十分だろという思いがあったけれど、もう今の状況ではそれが十分なクオリティでは無いんじゃないかという疑問が常に俺の中で渦巻いていたんだ。」と言えるかもしれない。でも実際はもっと恐ろしい状況でそんな恐怖観念に囚われて悩み続けるという事すら無かった事実があり、気が付いたら13年経っていたという状況だったんだよ。色々と考えていた事もあったのかもしれない、しかし世間に通用しないという感情が芽生えそこからズルズルと伸ばしていってしまった感じなんだよ。新作を制作しようと本腰を入れるうえで最も難しかった事は自分自身が世間一般にそこまで求められていないという解釈を植え付ける事だったね。」と世間に通用出来ないのではないかという疑問があった事から新作の制作を無意識のうちに伸ばしに伸ばしていってしまった状況を語っています。
またMaynardは「俺達は4人それぞれ強い主張を持つメンバーで構成されたバンドな訳で、その個性がぶつかり合って音楽が制作されていくわけだよ。今回のアルバムを制作した事で俺自身、今後自分は制作環境から一歩退いた所に居る様にして、他のメンバー達が色々と意見をぶつかり合って作曲していく過程を過ぎてから制作現場に入ろうかなと思っているんだ。既に打ち合い状態の様なスタジオに俺みたいな主張の塊が入っていったらそれこそ大変になるだけだよ。だからもし制作現場に多くの作曲家が居るなら自分は身を一度退いてみて、彼等の意見のぶつかり合いが沈静化した後に入っていけば良いのかなと思っている。」と今後の対策も見出した事も説明。
また先日Toolがストリーミングサービス等のデジタル音楽提供サービスを受け入れた背景について:
「俺達がiTuneで楽曲を配信している事は驚きだよね。俺達の様なバンドにとって最も難しい事は自分達の音楽を思い通りに提供したいという思いが強かった事なんだと思う。だからこれまでデジタル配信をする事が無かった訳だけど、要は自分達の仕事は作曲してレコーディングする事だと気づいたんだ、バンドは作り手の仕事を終えたら他のスタッフに任せて楽曲を提供させれば良いじゃないかという結論になった訳だね。iTuneもAmazon Musicもレコードショップみたいなもので自分達の仕事は制作が終わった時点で終わったんだよなと思う様になったのさ」と説明。
またJusinもインタビューにて、制作段階でメンバーそれぞれの主張があり、メンバーそれぞれの意見が一致するまでアルバムも発表出来ない状況であった事を認める発言をし、アルバムFear Inoculumに採用されている幾つかのアイディアは自分がバンドに加入した1995年頃から既にバンド内にあったアイディアであった事も発言。
インタビュー音声はこちらから: https://www.bbc.co.uk/sounds/play/m00083gp