Bring Me The HorizonのOli Sykesが脱退したJordan Fishについて語る。
5/30/2024
Bring Me The HorizonのフロントマンOli Sykesが去年脱退したキーボード/プログラミング/ドラムパッド/バックヴォーカルを担当したJordan Fishについて語る。
JordanはBring Me The Horizonに2012年に加入。翌年リリースしたアルバムSempiternalからBring Me The Horizon(以下BMTH)が発表していく作品に大きく関わるメンバーとなっていました。バンドは昨年Fall Out Boyと一緒に全米ツアーを完了させ、9月に4部作となっているPost HumanシリーズEPの二作目となる新作Post Human: NeX GEnをリリースする予定でした。しかし、リリース少し前に同新作の発売延期が発表。当時フロントマンOli Sykesは「不足の事態が発生し満足できる水準で作品を完成させれませんでした。まだ完璧にしたい部分がありそれが完成するまでリリース出来ないんです」と説明。活動においても、BMTHはFall Out Boyとのツアー後数ヶ月の休憩期間を経て、10月に日本へ来日、10月31日から日本国内にてバンド主催のNEX_FESTを含むツアーを行いました。しかし、BMTHの来日そしてその後のアジア公演時にJordanは帯同していませんでした。そして12月にBMTHからJordanの脱退が正式に発表。
「BMTHはJordan Fishとの別れを決めました。私達は彼がバンドと共に歩んでくれた音楽の旅に感謝し、今後の彼の幸運を祈りたい。その一方で、私達はNeX Genの制作を続け、もうすぐ新しい音楽をリリースする予定です。1月のUKツアーで会いましょう。」
https://twitter.com/bmthofficial/status/1738122398216470572
そして現在は見れなくなっているものJordanからも別に発表があり、
「バンドと共に過ごした11年間には本当に感謝しているし、共に成し遂げた全ての事を非常に誇りに思っています。
バンドの今後の活躍を楽しみにしているし、成功を祈っているよ。
私は自身のキャリアの次のステージを始める事にワクワクしており、今は作曲とプロデュースに専念しています。」
今回Kerrang誌のインタビューを受けたOliはリリースされた最新作Post Human:NeX GEnについて語っており、バンドにとって大きな転機となったJordan脱退について以下に発言。
「最初は正直、手足を失うような気分だった。というのも、Jordanはこのアルバムにとても大きな役割を果たしていて、俺はこの10年間、彼と共にミュージシャンとして成長してきた。彼が素晴らしいプロデューサーであることは間違いないよ。彼が居た10年間で、俺が気づく事が出来なかったことは、それが少し ”OliとJordanのショー” になっていたんだと思う。俺達は常に音楽を作っていたいという気持ちが強かったしね。パンデミックが始まって俺は再度ドラッグ依存に陥り、そのリハビリを終えた後、何かに打ち込まなきゃと思って音楽の制作に没頭するようになった。俺が気づかなかったのは、その過程で自身とJordan以外のメンバーがどれだけ押し出されていたかということだった。彼等を入れていなかったわけではないが、あまりに速く制作を進めていたので、時折立ち止まって他のメンバーに意見を求めることができなかったんだ。」
Jordanが離れた後にバンドメンバー達はクリエイター陣と共に新生BMTHの初めての曲となったKool-Aidを制作。OliはKool-Aidの制作について、
「まず第一に、メンバー達がどれほど喜んでいるかを見るのは本当にクールだった。そして、これまで彼等の意見なしで作曲していた事に自分達がどれだけ欠けていたかを思い知ることができた。BMTHのDNAのようなもの、これまで発表してきた数枚のアルバムに欠けていたものが、瞬時に戻ってきた感じだったよ。ドラムMatt Nichollsはこれまで俺達が作曲中にやっていたドラムを、彼の言うところの ”人間化” したんだ。彼がこのPost Humanの制作に参加する事をとても喜んでいるのを見ることができてとても嬉しかった。一時期は、彼等がみんな後方に回ることを喜んでいると思っていんだ。だからこそ、バンドとしての一体感が増したし、音楽も輝きを増した。
Jordanがもたらした創造性という点で、俺はJordanを悪く言う事は絶対ないよ。彼は俺に歌を教えてくれ、そして音楽についてたくさんのことを教えてくれた。反対に彼もそう思ってくれていると思うけど俺も彼に色々な事を教えてきたつもりだ。でも俺はいつも自分が何をしたいのか理解していた。バンドのアルバムや曲にはいつもビジョンがある。だから、誰と仕事をしようが俺達はそこにたどり着くんだ。」
そして最新作が完成しリリースできた事ついて、
「大きな変化だったし、こんなことになるとは思ってもみなかったよ。でも、誰に対しても状況に対しても否定的でなく、Bring Me The Horizonに戻ったような気分なんだ。そして未来は超エキサイティングに感じる。本当に違うエネルギーなんだよ。これは奇妙なアルバムで、中途半端に新しい方向に向かっている。すでに6曲が発表されたレコードの途中から、”そうだこれは完全に新しい方向性だ” と、本を破り捨てるような気持ちで始めたんだ。それと同時に、ほぼ完成していた曲以外は、それまで作ってきた楽曲を一旦すべて壊して、また始めるという感じでもあった。今後もどうなるか楽しみだね。」
そしてOliは楽曲を制作する事について、
「子供の頃、俺は絵を描いたり絵具をするのが大好きだった。母親と一緒にアートを作ったりするのが好きだったよ。音楽を作るということは、常にそういう感覚であるべきなんだ。”スタジオに入ってアートを作ろう” っていうよりも、ちょっと皮肉っぽくなったり、企業的になったり、外見的な要素を気にするようになってた時期があったね。」
インタビューを通してOliはJordanが自身やバンドにもたらしてくれたものについては感謝している事を述べています。しかしなぜJordanが脱退したかという直接的な理由等を語る事はありませんでした。
こちらからOliのインタビュー記事:https://www.kerrang.com/bring-me-the-horizon-oli-sykes-interview-post-human-nex-gen-cover-story
一部の噂として、収録曲のR.I.P. (Duskcore Remix)は誰かをディスっている曲という事で真意は分かりませんが、もしかしたらJordanなのではとも言われています。
Oliは自身の身の回りから離れていく人が出ると、その人物の事かは分かりませんがディスる曲をこれまでも発表しています。
Blacklist(There Is a Hell Believe Me I've Seen It. There Is a Heaven Let's Keep It a Secret)はCurtis Ward脱退後
Antivist(Sempiternal)はJona Weinhofen脱退後
In the Dark(Amo)は元妻と離婚後。
Jordanが何故BMTHを脱退する事になったかはわかりませんが、以前Jordanが同誌のインタビューにて、新曲を楽屋やツアーバス内で制作している事を聞かれた際に以下に発言しています。
「それこそがこの作品を制作するのに予定よりもずっと時間が掛かっている主な理由だよ。そしてツアー活動が再開してから俺にとってはかなり過酷な状態だよ。俺には二人の子供がいるので常にすべてを二の次にするのはもう嫌なんだよ。以前は、ツアーの為数週間離れ、戻ってきて作曲作業を再開し、またツアーに出るということがよくあった。二人の子供がいる俺にとってそれは難しいんだ。6週間ツアーに出て帰ってきたら家族との時間を過ごす為バンドの制作場であるSheffieldには行かないんだ。他のメンバーにも子供がいるし、それぞれ事情があるんだよ。ツアーでは制作作業を効率的にやろうと思っていて、ツアー中は本当に仕事をしているような感じだね。
音楽制作を手伝ってくれる人をツアーに連れてくることで物事を素早く進めることができる。一日中作曲して、「さあ、これからショーに出るから、君は俺達が作った音を整理して片付けておいてくれないか?」と言うことができるんだ。
Zakk Cerviniとは、ギターの整理以外にも、前Post Humanのミックス、プロデュースを手伝ってくれ、作曲を手伝ってくれ、本当にいい奴なんだ。前回の欧州ツアーでは、5週間ずっと仕事をしていたので日中の活動は出来なかったけど、その分レコードの制作を進めていたよ。でなければ俺達の様なツアー活動をしながら良い父親であり続ける事はできないよ。」
以前Jordanは生まれたばかりの子供が脳出血を起こし緊急入院し治療を受けた事を明かしており、小児集中治療室への寄付金を集める為にOliと一緒にキリマンジャロを登った事がありました。
また以前Youtuber Finn McKentyがJordanにインタビューした際、 Jordanは自身のバンド内での立ち位置について「ライブではキーボードとかの担当となっているけど、俺的にはプロダクションのスタッフというか制作にかかわるメンバーかな、仕事だよね。Oliがバンドのヴィジョンを決めて俺はそれを可能にする為にそこにいるんだ。作曲とプロデュースがメインだね」と説明。またライブパフォーマンスについても「ライブも楽しいけど俺的に演奏しているかというと違う感じだし、他のメンバーの方が俺よりも遥かに演奏が上手いしね」と語っています。Jordan不在だった日本とアジア公演ではツアーギタリストJohn Jonesがバックヴォーカルを務めてライブを成功させていました。
こちらインタビュー動画: https://youtu.be/BF8N5fBRY-Y?si=pAW9u-D_Ilb1jQ-c
Jordanは脱退後Spiritboxや元Fever 333のAric ImprotaとStephen Harrisonによる新バンドHouse Of Protectionにも関わっています。