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このコーナーでは、アメリカ西海岸Orange County(OC)にて行われるライブレポートをお届けします。

第32回: SWANFEST 2019  - Anaheim, CA

 

米国にて若い世代を中心に絶大な人気を誇るDance Gavin Danceが主催するフェスSWANFESTが南カリフォルニア、メジャーリーグ(大谷選手も所属している)Angelsのアナハイムスタジアムの直ぐ横に位置するGrove Of Anaheimで初開催。当初、初めてのフェスという事で比較的大きい同会場を一日中使用し、バンドが入れ替わりライブを行うのではと予想していたが、ナントSWANFESTは同会場の外にあるAngelsスタジアムの広大な駐車場を使用、二つのステージを用意する本格的な野外フェスを開催。
 
サポートに、プログメタルで人気を確立しているPeriphery、シーンで活躍するWe Came As Romans、Crown The Empire、Veil Of Maya、Don Broco、若い世代にコアな人気を博すインストロックのCovetやIntervals、そして現代ポストハードコアシーンにおいては外せない存在となるHail The Sun等が出演。

Main Stage:Dance Gavin Dance、Periphery、Crown The Empire、We Came As Romans、Don Broco、Veil Of Maya、Intervals、Volumes、Sianvar

 

早くも南カリフォルニアに夏が来た、と思わせる様な強い日差しが照り付ける土曜日。SWANFEST会場前にはワープドツアーを思わせる様な長蛇の列で賑わっていた。SWANFESTのVIPチケットは既に完売しており通常ならVIPチケット購入者は優先的に入場可能な筈だが、この日はVIPラインにも長蛇の列が出来ていた。会場内のセカンドステージに最初のバンドWolf And Bearが登場した時には会場外にはまだ多くの人が並んでいる状態であった。管理人が会場に入った頃にはメインステージにて最初のバンドであるSianvarが演奏を開始しており、久しぶりに会場入りに時間が掛かったイベントでありSWANFESTへの期待値を一層高めてくれる。

 

既にライブを開始していたポストハードコアSianvarを急いで見に行く。バンドは馴染みの無い方も居るかもしれないが、Dance Gavin DanceのWill、Hail The SunのDonovan、A Lot Like BirdsのJosephとMatt、そして多くのバンドでギターを兼任するSergio Medinaを擁するポストハードコアのスーパーバンドである。先ずDonovanがメインヴォーカルを担当しておりHail The Sunではドラムも兼任するDonovanがフロントに来て歌うバンドも非常に新鮮(後で知ったが近年Donovanはヴォーカルのみをライブではパフォーマンスする様だ)。サウンドはプログロックを主体にサイケデリック要素も入るポストハードコアにDonovanの伸びやかなクリーンと絶叫が入り混じる。Hail The Sunではドラムとメインヴォーカルを兼任し余り立っている場面が少ないDonovanがステージを行き来しながら歌う姿は新鮮。そして今回のSWANFESTの生みの親とも言うべき発起人Will Swanもテクニカルでプログロックなギターフレーズを披露。オーディエンスも馴染みのあるメンバーの早くからの登場で盛り上がっていた。SianvarのPVはこちらから。SWANFEST終了後バンドは無期限の活動休止を発表。メンバーそれぞれのバンド活動が忙しくなった為Sianvarは暫くの間活動を行わないそうだ。非常に残念な発表だったがいつかメンバー達が再集結してくれる日を待ってます。

メインステージ二組目はVolumes。メンバー達は日差しの強い正午にも関わらずジャンパー姿で登場。オープニングを曲The Mixtureでスタート。GusとMykeのツインヴォーカル、そしてDjentなプログメタルでオーディエンスを乗せるパフォーマンスは健在。管理人は久しぶりに彼等のライブを見たがメンバーチェンジも無く、セットリストもデビュー作Viaから曲Wormholesを披露したり最新作のLeft For Deadも披露と新旧作品から曲を披露。曲Feels GoodではヴォーカルMykeのクリーンヴォーカルが前面に出ている曲でありGusとの掛け合いスクリームパートは見事に決まっていた。ラストはデビュー作からの曲Edge Of The Earthで締めたバンド。ここ二年程彼等の新曲を聴いていない事もあり、今年ぐらい何かしらの新曲の発表があるかもしれない。

インストメタルIntervalsが登場する頃にはメインステージには多くのオーディエンスで賑わっていた。アルバムThe Shape Of Colourからの曲Sure Shotでライブを開始したIntervalsはリーダーでギタリストAaronをセンターに、ベースJacobとギターSamを左右に、そしてドラムNathanを後方にプレイ。二曲目に最新シングルTouch And Goを披露。最新作The Way Forwardからの曲が中心となったセットリストであった。近年若い世代を中心にプログメタルインストバンドがヒットしている。どのバンドも非常に質の高いライブ演奏を武器としているが、近年どのバンドもハッピーでエーテル表現が豊かで癒し系なサウンドに傾向している点も少し気にはなってきている。バンドは最後にAlchemyとMata HariというアルバムIn Timeからの楽曲で締めたがやはりこちらのエッジの効いた演奏の方が個人的にしっくりきてしまう。Volumes同様そろそろ新譜の情報が出てきても不思議ではないIntervals、引き出しの多いAaronだけに今後どんな楽曲を披露してくれるのか非常に楽しみである。

Intervalsと一緒にツアーを行っているVeil Of Mayaが次に登場。最新作False Idolからの曲Whistlebrowerでスタート。アルバムMatriarch(2015)からヴォーカルを担当しているLukasも二枚のアルバムを経験した事でVOMのヴォーカルとして大分板についてきた感じだ。フェスという限られた演奏時間の中という事もありセットリストはLukasが担当したアルバム二枚からの構成。クリーンとスクリームを上手く使い分けるLukasだが全てを唄い切る事はやはり難しい。他のメンバーがバックアップヴォーカルとなれば大分スムーズなヴォーカルパフォーマンスになるはず。曲LisbethではギタリストMarc、ベースDanny、そしてドラムSamの演奏隊がかっちり組み合わさった素晴らしい演奏であった。ラストは代表曲となったMikasaである。Lukas自身このシーンのファンの間では既に知らない人は居ないと思っているのか積極的にオーディエンスにマイクを向けて煽る。終盤ではステージを降りて前方オーディエンスと一緒に熱唱しており、またMikasa級の楽曲が発表される事を期待し、ワープド並ともいえる程多くのオーディエンスからの拍手を受けてバンドはフィニッシュ。

メタリックなギターリフなバンドが続く中、英オルタナロックDon Brocoが登場。本国では音楽チャートに入っている程有名であり、日本でもOne Ok RockやMan With A Missionと一緒に共演経験のあるバンド。去年発表した最新作Technologyから曲Everybodyでスタート。曲You Wanna Knowが唯一の旧作品からの曲だったが、オーディエンスはノリノリで付いていく。セットリストは最新作からのシングルでまとめられた感じ。ロックの中にセクシーさが漂うポップなグルーヴでオーディエンス(特に女性陣から)のサポートを得ている。Dance Gavin DanceのヴォーカルTilianがセクシーさ漂うステージパフォーマンスにあるようにDGDは硬派なプログメタルともDon Brocoの様なオルタナロックバンドを一緒にツアーに連れて行ける数少ないバンド。曲T-Shirt Songではオーディエンスがシャツを空中にグルグル振り回しながらサポート。ドラムMattはバックヴォーカルも担当しているのだがメインヴォーカル並に上手い事に驚いた。要所要所でMattの唄が入るのだがライブのバイブを壊さない様に入って行き方が素晴らしい。ラストは曲Pretty。オーディエンスもサークルピットで応える。

夕方に差し掛かった頃にWe Came As Romansが登場。管理人は昨年キーボード兼ヴォーカルKyle Pavoneが他界してからは初めて彼等のライブを見る。代表曲Tracing Back Rootsからスタートしたバンド。Kyleが居た時は曲の約2分後にKyleがバンドの前方に来て歌うクリーンパートがあるのだが今回はDavidがそのクリーンパートを唄っている姿を見た時、撮影をしていた管理人はシャッターを押しながら少し目頭が熱くなっていくのを感じた。ああ本当にKyleもう居ないんだ、ツインからシングルヴォーカルとなり全てのパートを懸命に唄うDavidを見ていると何とも言えない感情が出てきてしまう。Kyleが亡くなる前まで担当していたキーボード/シンセの位置にはテーブルが置かれており無人のテーブル後方には今でもKyleの姿が焼き付いてしまい改めて大きな存在だった事を実感させられました。セットリストは曲Hope以外は全て最新作Cold Like Warから。2017年に加入した元For TodayのドラムDavid Puckettも初めて見たが長い腕を利用しての振り上げから叩きつけるタイプであり迫力のあるドラムパフォーマンスを披露。Kyleのキーボード/シンセのサウンドが前面にでる曲Encoderも披露。そして曲Hopeもそうだが曲Lost In The Moment、Cold Like War、Foreign FireとKyleのクリーンパートは全てDavidが熱唱。バックヴォーカルとしてギタリストJoshuaもサポートしていたがDavidのパフォーマンスは素晴らしかった。

We Came As Romansのライブが終了と同時に横に位置するセカンドステージも全てのライブを消化し、セカンドステージから一斉にオーディエンスがメインステージへと流れてくる。そしてWe Came As Romansと一緒にダブルヘッドラインツアーを行っているCrown The Empireが登場。バンドはこの日の為に新曲Sudden Skyを(この時点でまだ未発表)オープニング曲で初披露。ドラムBrentはバンダナマスクを掛け登場、ヴォーカルAndyもブラックコートを着て、ギターBrandonとベースHaydenもブラックな服装をしており、バンドの目下最新作Retrogradeに伴うツアーではカラフルな服装だったメンバー達がアルバムThe FalloutやResistance時代に戻った感じがある。イメージ的には原点に戻った感じだがバンドのセットリストは新旧混ぜた内容で短時間の間にデビューから近年発表してきた20/20やWhat I Amもプレイ。バンドは2015年にギターBenn Vogelman、2017年にヴォーカル兼ギタリストDavid Escamillaが脱退してから急激に活動スピードを落としている。バンドは近年上で述べている新曲を単発で発表、新譜もレコーディングが終了しているとされるが未だ公式な発表を出していない。余り時間が経ち過ぎると忘れられるのではと危惧していたがこの日は旧曲であるMemories of Broken HeartやFalloutを披露し、未だオーディエンスの人気が健在だとういう事をアピール。脱退したメンバーの穴はBrandonが主にクリーンのバック、そしてHaydenがスクリームのバックを担当。ヴォーカルAndyは二人のサポートもあり二人目のヴォーカリストは要らない事をアピール。  

辺りが暗くなりメインステージにステージライトが点灯、セットチェンジの間もPeripheryのメンバー達は忙しそうにサウンドチェックを自分達で行っていた。ライブ時間になるとオープニングSEが掛かり薄暗い照明の中ドラマーMattが登場、そしてMisha、Jake、Markが次々に登場し最後にSpencerが登場すると大きな歓声が。バンドはアルバムJuggernaut: Omegaからの曲The Bad Thingsで開始。独特なギターリフに前列オーディエンスは全員ヘドバンを開始。クラウドサーフで人がどんどん降りてきてメディアブースも戦場と化す。大好評だったThe Bad Thingsを終えるとSpencerは「来週末に新譜Hail Stanを発表するが、今日マーチブースで購入する事も出来るぜ。そこから新しい曲披露してもいいか?」と曲Garden In The Bonesを披露。管理人はこの時まだHail Stanをじっくりと聞いていた訳では無かったが曲を聴いた瞬間にバンドの曲Alphaにどことなく似ていると感じた曲であり、これまでのPeripheryの楽曲を聴いてきたファンであればニヤリとさせられる総集的な曲と感じた。この他にもバンドは曲Blood Eagleを恐らくライブ初披露。Spencerのブルータルなスクリームはより強靭に、そしてサビ部分のクリーンは研ぎ澄まされたガラスの様に透き通った歌声で完璧に仕上げてきた感じ。そしてMishaの高速ソロパートからのギターリフは鳥肌ものであった。最後はPeripheri IIからのMasamune。フェスでの出演という事もありバンドがライブでよくプレイする曲Icarus Lives、Ragnarok、Scarlet無しのライブはある意味新鮮であった。今度は是非ヘッドライナーのライブで彼等を見てみたいものである。

SWANFESTの主催でありヘッドライナーDance Gavin Danceの出演が近づくに連れてメインステージ前方は異様な盛り上がりを見せていた。多くのオーディエンスが前方に行こうとしているのか圧力に耐えきれず次々と前方オーディエンスがセキュリティーに助けを求め柵を超えて外に出ていく。管理人自身Dance Gaving Danceのライブが始まったらこんな物では済まないぞと少し不安に。そんな不安をよそにステージは暗転、メンバーが続々と登場しヴォーカルJonとTilianが出てくると会場は大歓声に。美しいギターリフから最新作Artificial Selectionからの曲Son Of RobotでDGDショウの幕が開ける。驚いたのはスクリームのJonのパートもオーディエンスは合唱している事だ、Tilianのクリーンパートの合唱は理解出来るがこの日のオーディエンスは全てのパートを熱唱。Jon熱唱時Tilianは音楽に身を任せてクネクネとリズムに乗っている、細見の長身ヴォーカリストのダンスは女性ファンにはたまらないのか黄色い声援が凄かった。セットリストは最新作Artificial SelectionからThe Rattler、Count Bassy、アルバムMothershipからChucky vs. The Giant Tortoise、Flossie Dickey Bounch、Betrayed By The Game等プレイ。先日発表したばかりの曲Head Hunterも披露。DGDはツアー前や大きなイベント前になると新曲を発表してくれる事があり予習をしてきたオーディエンスは多くHead Hunterも大合唱に。唯一の旧曲はセルフタイトルからのUneasy Hearts Weigh The Mostである。管理人としては、同作でヴォーカルを担当していたKurt Travisが同会場に居る為Kurtの共演は間違いないと思っていたのだが、見事に予想を裏切られKurtは登場せず。Kurtが居たのだから最新作Artificial Selectionからゲスト共演している曲ShelfLifeもプレイ出来た筈だが、こちらも予想が外れる結果となってしまった。バンドはMothershipからのラスト曲Man Of The Yearをプレイして一旦ステージ裏へ、会場全体のアンコールにメンバー達はステージに帰還しArtificial Selectionからのラスト曲Evaporateで今度こそ完璧に締める。初めてとなったSWANFESTは多くのオーディエンスからの温かい拍手により幕を下ろした。

さてベストバンドだが、ヘッドライナーDance Gavin Danceと言うのは簡単な事で、このフェスが全てDance Gavin Danceの為にある様なフェスで、DGDを中心にバンドに関わった経験のある友人アーティスト、バンドと親しくしているアーティスト達、同じシーンで活躍し一緒に盛り上げて来たバンド、ギタリストWillが契約したバンド達となっておりDGDがあってこそのフェスであった。他に印象的だったバンドはPeripheryWe Came As Romans。Peripheryはその卓越した演奏力とSpencerの歌唱力で他のバンド達とは一線を画すライブを披露。新譜もこの日の為にフライングでマーチテーブルにて販売する等ファンサービスにも脱帽だ。そしてWe Came As Romansは何といってもDavidがKyleの分まで全て熱唱している姿に心を打たれた。悲しみを乗り越え天国に逝ってしまった友人の分まで一生懸命に歌うDavidと、しんみりしそうなライブを盛り上げるメンバー達の心意気が伝わって来たライブであった。

 

Second Stage:Hail The Sun、Covet、Strawberry Girls、Eidola、Royal Coda、Thousand Below

 

こちらではSWANFESTセカンドステージでのライブレポートをお届けします。バンドリストを見て直ぐに思うのは多くのバンドがDance Gavin DanceやバンドのギタリストWill Swanが経営するBlue Swanレコードと関係するバンド達という事。管理人が会場入り出来なくて見逃す事になってしまったオープニングバンドWolf And BearもBlue Swanレコードと契約しているバンドである。

この日セカンドステージで最初に見たバンドはRiseレコードと契約しているポストハードコアThousand Below。会場となったAnaheimから南にあるSan Diego出身のバンドであり現在Dance Gavin Danceと一緒にツアーをしている。フロントマンJamesがスクリームとクリーンヴォーカル両方使い分け、サウンドはポストハードコアと書いたが曲によってはメタルコアになるサウンドもありUnderoathやThe Devil Wears Pradaが好きな人、そして近年ではCapsizeやPolaris等が好きな人には是非聞いて貰いたい。Jamesは金髪ショートヘアーにして登場、サウンドではブレイクダウンで落とし、キャッチーなメロディと共にクリーンを歌い上げるスタイル。彼等の今後のサウンドがどうなっていくのか気になるバンドである。最後は最新シングルVeinでフィニッシュ。

セカンドステージ二組目はDance Gavin Dance、A Lot Like Birds等でヴォーカルを担当しソロでも活動しているKurt Travisを擁するRoyal Coda。結成二年、去年デュー作を発表したばかりだがメンバーはKurtの他にA Lot Like Birds、そして先程プレイしたSianvarのドラムJoseph、多くのバンドで活動するSergioをギタリストにベースはDance Gavin Danceでもプレイした経験のあるJason Ellis。この日は出演していなかったがFall Of TroyやChiodosで活躍するThomas Erakもギターを担当していたバンド。基本的にはKurtが歌っている事もありポストハードコアというジャンルになるのかもしれないがプログロックなギターリフも入り美しい歌声の中に激しさも同調するサウンド。Dance Gavin Danceファンは間違いなくこのバンドは好きだろう。Kurtが歌っているだけでファンになりますという人も多いと思うが、ギタリストSergioの変化自在なリフも注目だ。最後はシングル曲Anything To Saveで締める。Kurtが歌うポストハードコアバンドならこのRoyal Coda。

セカンドステージ三番手はポストハードコアEidola。Dance Gaving Danceでライブギターを務めるAndrew Wellsがフロントマンを務めメインヴォーカリストとして活躍しているバンドだ。ギターはSianvar、Royal Codaで登場しているSergioが三度目の登場。ギタリスト兼バックヴォーカルとしてDance Gavin Danceで活躍しているAndrewがセンターに立って楽曲を熱唱する様は非常に新鮮。Andrewは基本クリーンヴォーカルを担当し、ギタリストMatthewが時折スクリームヴォーカルを入れるスタイル。バンドがシングル曲Tetelestaiをライブ序盤に演奏するとオーディエンスも合唱に、流石Dance Gavin Danceのファンである、Eidolaの楽曲を全て知っている様だった。Andrewも近年Dance Gavin Danceの活動で忙しくしている為ここまで多くの人々の反応が聞けるとは予想していなかったそうでオーディエンスに感謝していた。こちら曲Humble Ledgerのライブ映像。

Eidolaライブ終了後、素早いセットチェンジでインストロックトリオStrawberry Girlsが登場。バンド名にGirlsと入っているがメンバーは全員男。リーダーでギタリストZachary GarrenはDance Gavin Danceにてギターを担当していた人。そして先程Royal Codaとして登場したKurt Travisのソロバンドで活躍しているIan JenningsとBen Rosettがそれぞれベースとドラムを担当。バンドはオープニング曲にシングルAgua Verdeを披露。サウンド的にはインディーロックからの影響もありギターリフはFall Of TroyやMars Volta、King Crimsonからも影響があるようだ。メンバーは定位置から余り動く事は無く楽曲に身を委ねて演奏するスタイル。MCはZacharyが担当。Dance Gavin Danceでプレイしていた時は余り喋る事が無かった事もあり結構新鮮であった。バンドはKurt Travisをゲストに迎えた曲を発表しているが残念ながらこの日のライブではKurtがゲスト共演する事は無かった。グルーヴ感が素晴らしく非常に聴き心地の良い演奏。Strawberry Girlsという可愛らしい名前とは真逆(失礼)ながっちりしたZacharyとIanが演奏するのだが、サウンドが明るいイメージを持っており一度ハマったら離さないぐらいのキャッチーさでオーディエンスは聞き惚れていた感じだった。

セカンドステージの準ヘッドライナー、インストロックCovetが登場。管理人は数年前にCovetをPolyphiaのライブで見ているがその時以来であり久しぶりである。ギタリストYvette Youngを中心にベースDavidは変わりなく、ドラムのForrestは今回初めて見たがプレイしながら笑顔を絶やさないこのバンドの雰囲気にあっているプレイヤー。Yvetteは髪型をショートに、クリーンなギターパートに彼女の独特なタッピング演奏は今回も鳥肌もの、そしてライブではCovetの成長が見れた事も大きな収穫である。バンドはこれまでPolyphia、Scale Of Summit、The Fall Of Troy、Chon等多くの優れたアーティスト達と共演。今年の夏にはイギリスへ行きMeshuggahとも共演するそうだ。マスロック、ポストロック、Djent、プログとあらゆるジャンルの共演者との活動がCovetのレベルをまた一つ上げ、オーディエンスの歓声や大きな拍手がバンドの成長を物語っていた。メインステージとセカンドステージの間はそこまで広く無く、セカンドステージから少し離れればメインステージの音が嫌でも聞こえてしまう。多くのオーディエンスがCovetの曲を聴き逃すまいと真剣にセカンドステージを見入っている姿はCovetの今後の活躍を期待してしまう。インストバンドが2バンド立て続けにライブを披露したがセカンドステージのオーディエンスは増えていき、前回Polyphiaのサポートで出演した時に比べ桁違いに人気になったCovetが居た。セカンドステージの準ヘッドライナー、そしてHail The Sunの直ぐ前、素晴らしい成長です。

そして遂にセカンドステージのヘッドライナーHail The Sunが登場。フロントマンDonovanを見ようとドラムを見ると、Donovanが居ない。別のドラマーになっていた。するとDonovanが歩いてセンターに来て、アルバムWakeからの曲Black Serotoninでライブスタート。管理人自身知らなかったが近年Donovanはツアーではヴォーカルをメインに担当。昨年発表したばかりの最新作Mental Knifeからの楽曲をメインで披露するのかなと思っていたが、バンドは旧作からの楽曲を中心にプレイ。多くのHail The Sunファンもバンドと一緒に合唱。ライブ終盤になりこれまでステージ前で歌っていたDonovanがドラムに座る。それまでドラムを担当していたドラマーはDonovanに席を譲り後方へ、そしてEPであるElephantitisからの曲Will They Blame Me If You Go DisappearingをDonovanのドラム兼ヴォーカルスタイル(オリジナルスタイル)でプレイ。これぞHail The Sunの真骨頂、Donovanがドラムを叩きながら熱唱し他のメンバー達がステージ前方でヘドバンする姿はいつ見ても素晴らしい。残念ながらDonovanがドラムを担当したのはこの曲だけであり、バンドはラストソングHuman Target Practiceを戻って来たドラマーを入れて全員でプレイ。Donovanは熱唱しながらオーディエンスにダイブ、かなり興奮していた様だった。この日のセカンドステージにおいて初めてとなり、そしてラストとなったダイブをしたDonovanは大勢のオーディエンスに感謝の言葉を述べてステージを後に。セカンドステージの全バンドが終了となった。

 

印象的だったバンドは久しぶりにライブを見たCovetである。Yvetteの演奏は既に折り紙付きだが彼女の演奏をさらに際立たせるメンバー達の演奏も素晴らしかった。そしてセカンドステージの音響設備がメインステージよりも優れていた事もインストバンドであるCovetやStrawberry Girlsのサポートになっていた事は間違いなく、演奏をしっかりと聞き込みたかったオーディエンスにはセカンドステージは素晴らしい環境であった事。メインステージの3/4程度の大きさのセカンドステージだったが音響等を担当をしていたスタッフには拍手を送りたい。そしてセカンドステージ前に集まり最後まで全く動かなかった熱狂的なファン達について、バンド達は口を揃えてこんなに大勢のオーディエンスの前でライブを披露した事が無いと口々にいっており、Covetを後押しするオーディエンスもライブのクオリティに一役買っていたのかもしれない。

 

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